エリザベス 2世の肖像 Part 2 | Arrow Tokyo

エリザベス 2世の肖像 Part 2

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エリザベス2世の肖像をあしらった紙幣の収集はその経験を問わず、いかなる収集家にとっても大いにやりがいのあるものであると言える。『女王の紙幣』収集には様々な面があり、数多くの収集家たちがざっくばらんに、だが親しみを込めてこの収集分野について語っいる。29の国と地域、紙幣発行期間中に名称が変わった場合を含めると33の国と地域で女王の肖像をあしらった紙幣が発行されており、発行を念頭に見本、プルーフ紙幣、モックアップを作成したものの発行には至らなかった場合を含めると現在35の国と地域に及んでいる。女王の肖像は、王女時代の肖像から現在の女王としての肖像まで、その治世にわたって何度も変化している。現在でも15ヶ国において何らかの形で女王の画像をあしらった紙幣の発行・流通が行われている。現在の貨幣収集の世界において、このテーマより大規模で、多様性に優れ、またほぼ間違いなく美しいものはないであろうし、今後もこのようなテーマが現れることはないであろう。ラッセル・ウォラー

編纂: ピーター・サイムス

IBNS HDL-05

肖像 5

元の肖像の撮影: 1952年頃
撮影者: ドロシー・ワイルディング

ハケアの葉があしらわれた中にジョージ4世・ステート・ダイアデムを身に着けた女王の横顔が描写されているこの浅浮き彫りは、当初1953年10月に発行された、オーストラリア1ポンド紙幣で使用されている。
紙幣のデザインはオーストラリア・コモンウェルス銀行の紙幣印刷部門(1953年当時オーストラリアの紙幣発行を行っていた)によるもので、芸術家ネイピア・ウォーラーと彫刻家レスリー・ボウルズが携わっている。女王の肖像のための石膏像はドロシー・ワイルディング撮影の写真を基にボウルズが作成した。




この肖像が使用されているもの:
    Australia P-30 and 34

肖像 6

このエリザベス女王の肖像はカナダの写真家ユーサフ・カーシュによる写真を基にしている。 エリザベス女王の即位1年前の1951年に行われた写真撮影中に数多く取られた写真の1枚である。この写真撮影で撮られた女王の肖像にはティアラを身に着けたものが数多くあり、この紙幣に選ばれた肖像も元来はティアラを身に着けていた。 この肖像において女王が身に着けている、ダイアモンドの花や葉があしらわれたネックレスはハイダラーバードおよびベラールのニザーム(君主)から結婚祝いとして贈られたものである。 紙幣で使用されている、カーシュの写真に基づくこの画像は、ブリティッシュ・アメリカン・バンクノート社のジョージ・グンダーセンが彫刻したものであり、その際にティアラは省かれ、髪が描きなおされた。. この肖像では2つのバリエーションが知られている。

肖像 6a  
元の肖像の撮影: 
1951
撮影者: Yousuf Karsh
Engraver: George Gundersen

この彫刻の第1のバリエーションでは女王の髪が一部「悪魔の頭部」のように見える。

 

この肖像が使用されているもの:
    Canada P-66 to 73

肖像 6b  
第2のバリエーションでは修正を行い、女王の頭髪からその問題となったパターンを削除している。



この肖像が使用されているもの:
    Canada P-74 to 84

2015年、カナダ銀行では、女王が在位期間最長の英国君主となった記念として、当時流通していた紙幣の特別版を発行している。 紙幣の透明窓には様々な特別な意匠が加えられており、その中の一つが基となったユーサフ・カーシュ撮影の肖像の描写である。この紙幣はティアラを身に着けた女王の肖像が使用された最初のカナダ紙幣となった。

karshcommemorative_1.jpg​​​​

 画像提供および著作権:カナダ銀行

肖像 7

Date of Original: Portrait: 1952
撮影者: Dorothy Wilding
女王のこの横顔は、伝統的に君主の横顔をあしらう硬貨での使用に特化して用意された肖像だと思われる向きがあるかもしれない。 だが、この肖像の利用を決定した発行機関ではそれ以前にジョージ5世やジョージ6世の横顔をあしらったデザインを使用していた。トーマス・デ・ラ・ルーによるデザインをエリザベス2世の治世でも踏襲するため、女王の適切な横顔が必要であったのである。

この肖像が使用されているもの:
    Seychelles P-11 to 13,
    Falkland Islands P-7 to 11

肖像 8

これは数少ない、左側を向いている女王の肖像の一つである。 幅広く用いられているものではないが、女王をより良く描いた肖像の一つと考えられている。 女王はジョージ4世・ステート・ダイアデムとハイダラーバードおよびベラールのニザーム(君主)から結婚祝いとして贈られたネックレスを身に着けている。

肖像 8a
ジャマイカとバハマの紙幣では、女王の肩は露出されており、ネックラインも深くなっているが、東アフリカ通貨委員会の紙幣では、肩やネックラインは露わになっていない。 ジャマイカとバハマの紙幣は女王の最も女性的な側面を描写している。 これらの肖像では、女性性が第一で、女王であることはその次である。 しかしながら、これらの画像における女王の美しさは彫刻者によって強調されたものである。 基となった肖像も大変美しく描写されたものではあるが、女王の王としての風格を表現したものであり、顔の特徴はおそらくそれほど際立ってはいない。

 
この肖像が使用されているもの:
    East African Currency Board
P37 to 49
    Jamaica P-48
    Bahamas P-17 to 41




肖像 8b
This portrait was used on The Royal Bank of Scotland's five-pound note, issued to commemorate Her
Majesty's Golden Jubilee in 2002. The adaptation of the image on the commemorative note is not
as pleasing as the image on the earlier notes and the later  engraving could be mistaken as being copied
from a completely different portrait. It is certainly a very different variety of the portrait.


   
   
この肖像が使用されているもの:
    Royal Bank of Scotland Commemorative 5 Pound note.
 

肖像 9

この広く使用されている女王の肖像はピエトロ・アンニゴーニによる絵画を基にしている。この広く使用されている女王の肖像はピエトロ・アンニゴーニによる絵画を基にしている。. この絵画は現在ロンドンのフィッシュモンガーズ・ホールで展示されている。. 絵画全体ではガーター騎士団の正装姿で、君主らしく、遠くを孤高のまなざしで見つめる女王が描かれている。 この肖像は若き日の女王を描いたものの中でも最高傑作の一つと考える人が多い。
   

Date Original Portrait: 1955
Artist: Pietro Annigoni



肖像 9a
この肖像のブラッドベリー・ウィルキンソン版である。際立った特徴は、女王の顔の側面、こめかみの下の平面的な陰影、および左肩のちょう結びから伸びている、マント前面のブレイドにはっきりとハイライトがあたっている点である。

この肖像が使用されているもの:
   Isle of Man
P-24 to 27
   Malta P-25 to 30
   Rhodesia P-25 to 29
   Seychelles P-14 to 18
肖像 9b  
この肖像のデ・ラ・ルー版である。 Iこのバージョンでは、女王の顔の側面、こめかみの下の陰影がより暗くなっており、はっきりとした縁が頬骨を際立たせている。さらに、マントのブレイドの描写はよりシンプルで規則的である。


この肖像が使用されているもの:
   Jersey P-7 to 10
   East Caribbean States P-13 to 16
   Mauritius P-30 to 33
   Fiij P-50 to 67