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エリザベス 2世の肖像 Part 1

エリザベス2世の肖像をあしらった紙幣の収集はその経験を問わず、いかなる収集家にとっても大いにやりがいのあるものであると言える。『女王の紙幣』収集には様々な面があり、数多くの収集家たちがざっくばらんに、だが親しみを込めてこの収集分野について。語っている 29の国と地域、紙幣発行期間中に名称が変わった場合を含めると33の国と地域で女王の肖像をあしらった紙幣が発行されており、発行を念頭に見本、プルーフ紙幣、モックアップを作成したものの発行には至らなかった場合を含めると現在35の国と地域に及んでいる。女王の肖像は、王女時代の肖像から現在の女王としての肖像まで、その治世にわたって何度も変化している。現在でも15ヶ国において何らかの形で女王の画像をあしらった紙幣の発行・流通が行われている。現在の貨幣収集の世界において、このテーマより大規模で、多様性に優れ、またほぼ間違いなく美しいものはないであろうし、今後もこのようなテーマが現れることはないであろう。ラッセル・ウォラー
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肖像 1

元の肖像の撮影: 1934年頃

撮影者: マーカス・アダムス

エリザベス王女のこの肖像は1935年3月11日発効のカナダ20ドル紙幣に登場し
た。この紙幣には英語(P- 46)とフランス語(P-47)が使用されている。元
の肖像の撮影者は王家の子女たちの公式写真家であったマーカス・アダムスで
ある。紙幣の画像は、エドウィン・ガンがカナディアン・バンクノート・カン
パニー・リミテッドに依頼され、彫刻したものである。

この肖像が使用されているもの: 
  
カナダ P-46 および 47

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元の肖像の撮影: 1952年
撮影者: ドロシー・ワイルディング

この女王若かりし頃の肖像は女王の父親の死後まもなく撮影された女王の写真の1枚を基にしていると考えられている。ただし、以下に記述されている、ドロシー・ワイルディング撮影のその他の肖像よりも若干早く、
もしかしたら女王の父親の死の前に撮影されていた可能性も考えられる。この肖像は、伝統的に君主の横顔をあしらう硬貨や切手で特に採用されている。だがトーマス・デ・ラ・ルーがデザインした紙幣にすでにジョージ5世やジョージ
6世の横顔をあしらったものがあり、女王の横顔を用いてこれらのデザインを踏襲する必要があった。

この肖像が使用されているもの:
  バミューダ P-18 および 19
  キプロス P-30

肖像 3

昔からよく知られているドロシー・ワイルディング撮影の写真を基にしており、左を向いている女王の数少ない肖像の一つである。女王は1893年に結婚祝いとしてメアリー王妃に贈られた「ガールズ・オブ・グレートブリテン・アンド・アイルランド」ティアラを身に着けている。
このティアラの購入資金はレディ・イヴ・グレヴィルが立ち上げた協会が集めている。このティアラはロンドンの宝石商ガラードから購入された。

撮影者: ドロシー・ワイルディング

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肖像 3a

セイロンの紙幣に使用された、ブラッドベリー・ウィルキンソンによるこの肖像は女王の髪の分け目がはっきりとしている。女王の唇は若干のゆがみがみられ、女王の口元を強調している(肖像3bと比較するとより分かりやすい)。

この肖像が使用されているもの: 
   
セイロン  P-49 ~ 53

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肖像 3b

トーマス・デ・ラ・ルーによる女王のこの肖像はブラッドベリー・ウィルキンソンによる彫刻よりも良い出来となっている。女王の髪の分け目もそれほどはっきりしておらず、唇の描写もより巧みで、陰影も含め、
エリザベス女王をより良く表現している。

この肖像が使用されているもの: 
  
ジャマイカ P-49 ~ 52

肖像 4

この肖像は何種類かのパターンがあり、それぞれがエリザベス女王が即位した直後に一人で座って撮影した、ドロシー・ワイルディングによる写真を基にしている。このエリザベス女王の肖像は世界の紙幣で最も広く使用されているものである。女王は1820年にジョージ
4世の即位に合わせて作成されたジョージ4世・ステート・ダイアデムを身に着けている。バラ、アザミ、シャムロックをシンボルとして施したダイアデムには1,333個のダイアモンドがあしらわれている。エリザベス女王は国の行事ではこのダイアデムを身に着けることが多い。
女王が身に着けている、ダイアモンドの花や葉があしらわれたネックレスはハイダラーバードおよびベラールのニザーム(君主)から結婚祝いとして贈られたものである。

元の肖像の撮影:  1952

撮影者: ドロシー・ワイルディング

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肖像 4a

この肖像で最も一般的なタイプはブラッドベリー・ウィルキンソン・アンド・カンパニーによる紙幣向けに彫刻されたものである。女王の右側の頬の影が強く、頭部が傾いているのがこのタイプの特徴である。

この肖像が使用されているもの:
  バミューダ  P-20 ~ 22
  香港 P-324A and 325 ~ 327
  英領ホンジュラス P-28 ~ 32
  英領カリブ海地域 P-7 ~ 12
  モーリシャス P-27 ~ 29A
  南ローデシア P-12 ~ 18
  キプロス  P-33 ~ 36
  ローデシアおよびニヤサランド   P- 20 ~ 23
  フィジー P-51 ~ 57
  ベリーズ   P-33 ~ 37

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肖像 4b

この肖像の2番目のタイプはトーマス・デ・ラ・ルーのデザインによるもので、バハマおよびマルタの紙幣で使用されている。女王の右頬の陰影はより薄くなっており、女王の頭部はブラッドベリー・ウィルキンソンによる肖像のように
傾いてはいない。

この肖像が使用されているもの:
  バハマ P-13 ~ 16
  マルタ P-27 ~ 29A

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Portrait 4c

マレーシアおよび北ボルネオの紙幣で使用されている肖像はウォータールー・アンド・サンズによるもので、この肖像の3番目のタイプである。この彫刻はブラッドベリー・ウィルキンソンによる肖像と類似して線がはっきりとしており、
頭部の傾きはそれほど明確ではない。

この肖像が使用されているもの:
  マラヤおよび北ボルネオ P-1 ~ 7,  9.

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肖像 4d

この彫刻は東アフリカ通貨委員会による紙幣のみで使用されており、女王の目の描写が特徴的である。この肖像の他のタイプと比べ目がいくぶん閉じ気味で描かれており、遠くにあるものを見つめているように見える。
この彫刻はトーマス・デ・ラ・ルーによるものである。

この肖像が使用されているもの:
  東アフリカ通貨委員会 P- 33 ~ 36

 

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肖像 4e

イングランドのセキュリティ印刷会社であるハリソンズによるこの肖像はザンビア紙幣の発行に向け試験的に準備されたものであった。このザンビアの紙幣は実際に製造されることはなく、この肖像を使用した紙幣が発行されることはなかった。

写真提供:ラッセル・ウォラー

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